自己判断で調整すると合併症の発症を早めます。塩分の摂りすぎに注意を！

‘高血圧の診断を受けた患者さんは薬物治療以外にも生活習慣の改善が必須です。高血圧の薬を服用しながら飲酒、喫煙、塩辛い食べ物や高脂肪食の摂取などを続けるなら’病気を与えて薬を与える‘ということになりますよね。薬物治療に拒否感があるのは誰もが同じですが、薬物治療が必須の患者さんが医師の指示に従わず、自己判断で薬を飲まなかったり、減らしたりすると合併症の発症を早めることになるので、必ず主治医と相談する必要があります。’血管の圧力が過度に高まっている状態の高血圧が続くと、血管の内壁に存在する血管の健康機能を維持する内皮細胞が損傷を受けやすくなり血管の合併症が発生する。遺伝的な傾向のある人が良くない生活習慣を送っていると、高血圧がより早く発病してより悪化するとされている。

延世大江南セブランス病院心臓内科のユン・ヨンウォン教授(心脳血管病院心臓血管センター)は、‘高血圧の90%は長い間薬物治療が必要な’本態性高血圧‘であり、特別な理由が見つからないほど生活習慣の改善や薬物治療の併行が適正血圧の維持と合併症予防のカギ’であるとしながら‘高血圧の発病を予防するには、塩分を摂り過ぎず適正体重を維持することが重要である’と話した。

血管の内皮細胞が損傷、または機能が落ちた血管は、拡張された状態を維持できず収縮するようになり、血管の内壁に油汚れを溜めやすくなる。結局は、血流の流れを妨げたり血管が水疱のように膨らんだり破裂するようになる恐ろしい合併症を誘発する。高血圧からくる合併症は、腎臓や目の網膜のように血管分布が多いところに発症するようになる。心臓や脳血管のように重要な臓器の血管にも問題を起こす。高血圧、高脂血症、糖尿病は、 時期の差はあっても一緒に発病する患者さんが相当多い。運動不足、肥満、高脂血症などの危険因子を共有している。高血圧の患者さんたちは糖尿病や高脂血症にも特に気をつけなければならない。

高血圧の大部分は症状がない。場合によっては、頭痛や胸苦しさなどの症状があったりもするが、このような症状から診断することになるというよりは、偶然、血圧を測定した時に血圧が高いことに気づく。したがって、危険因子を持っている、または家族歴があるならば血圧に関心を置いて随時測定してみることが早期発見のために非常に重要である。‘本態性高血圧の治療は今もなお根気よく薬物治療をすること以外には特別な方法はありません。最近は良い薬剤が開発され、患者さんがしっかりと服用すれば、血圧調節は比較的難しくないのです。様々な薬剤を使用しても調節されない高血圧の場合には、腎臓血管の神経を遮断する施術が試みられたりもしており、一部効果を見せましたが、まだ一般的な治療法だとは言えません。’

ユン教授は、病院で国際診療センター長を務めている。狭心症、心筋梗塞、動脈硬化、高血圧、高脂血症、冠動脈造影術、冠動脈形成術、末梢血管疾患などが専門診療分野である。診療時にいつも患者さんの立場で考えようと努力しているそうだ。また、‘患者さんの役に立てないのであれば少なくとも害となってはならない’というのが‘診療の信条’だ。