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幹細胞治療薬について簡単に理解しよう
2018-02-18 17:11
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幹細胞治療薬について簡単に理解しよう 世界初の幹細胞治療薬の開発者キム・ヒョンス院長による幹細胞の常識 医学の目的は疾病治療と予防にある。少なくとも今まではそうだった。最近注目を受けている再生医学は、このようなパラダイムを丸ごと変える。再生医学の目的は、損傷された臓器や組織を新しい細胞に代替するところにある。これは、医学が夢見る最も根本的な解決策に近く、まさにその中心に'幹細胞'がある。 これまで幹細胞を利用して開発した幹細胞治療薬で各政府から医薬品として認可されたものは世界にたった7つだけである。そのうち世界初の幹細胞治療薬は、2011年7月に大韓民国で誕生した。 世界各国の幹細胞治療薬の販売現況
表のとおり、幹細胞治療薬は主に難治性疾患を対象としており、治療の選択肢がなく苦労していた患者に希望を与えることができるであろうという期待から、その市場は急激に大きくなってきている。 大韓民国では、脊髓損傷により四肢が麻痺した患者が幹細胞治療を受けて歩行できるようになり、肝移植のほかに代案がなく死を待つだけだった肝硬変患者が幹細胞治療を受けて好転するという驚くべき事例が相次いで紹介されている。 このように幹細胞は私たちの日常生活の中に深く浸透しているが、一般人の認識が足りずまともな治療効果を見ることができなかったり不法幹細胞治療により副作用を経験したりすることもある。 そのような被害を減らすためには、幹細胞とは何であり、どのような原理によって治療されるのか、そして、幹細胞治療の医療機関を選択する際に注意する事項は何なのかを必ずチェックする必要がある。 
CHECK POINT 1. 幹細胞とは何ですか? 幹細胞とは、私たちの体を構成する細胞の母細胞として微分化された細胞をいう。幹細胞は大きく▲胚性幹細胞▲誘導多機能性(iPS)幹細胞▲成体幹細胞に分けられる。 胚性幹細胞はどんな細胞であれ分化できるという可能性を秘めていたが、腫瘍を形成して免疫拒否反応等を発生させるなどの安全性の問題と倫理的な問題から医薬品としての使用が現在としては容易ではない。誘導多機能性幹細胞も同じだ。 成体幹細胞は成人の様々な組織に存在して組織を維持し治療する役割を遂行し、安全性と倫理的問題において自由である。骨髄、脂肪、肌や筋肉などから採取できる。現存する幹細胞治療薬は全て成体幹細胞から誕生しており、世界的に施行されている幹細胞臨床研究の95%以上が成体幹細胞を利用している。 CHECK POINT 2. 幹細胞治療薬の治療原理は何であり、対象疾患はどんなものがありますか？ 各幹細胞治療薬によって、骨髄、脂肪、臍帯血など幹細胞を採取したソースは全て異なる。しかし、治療薬として製造され人体に注入されると一定期間存在し徐々に消えることになるが、この期間に幹細胞が組織を再生させる役割を果たすという原理は同じだ。 販売された7つの幹細胞治療薬が適応症として認可された疾患(表参照)のほかにも幹細胞治療薬として治療効果が期待されている疾患は非常に多様だ。特に、世界で初めて認可されたPharmicell(株)の'セルグラム-AMI'の場合、心筋梗塞、肝硬変、脳卒中、脊椎損傷、重症下肢虚血、勃起不全、抗老化など多様な疾患を対象に多くの研究が行われている。そのうち、心筋梗塞や肝硬変を通じて幹細胞治療がどのように作用するのかを述べようと思う。
心筋梗塞は代表的な成人疾患だ。心臓の詰まった血管を開通し、再び狭くならないようにステントを挿入する施術が代表的な治療方法である。もちろん、その後も血管が再狭窄しないように持続的な投薬が必要だ。ところが、発見が遅れたり病症がひどい場合は、詰まった血管を開通しても、すでに心臓組織が大きく損傷を受け心不全に陥ることもある。軽症の心不全は持続的な投薬で心臓の負担を減らす治療が必要だが、重症の心不全は社会経済的活動が不可能なほどに苦痛を受けるようになり心臓移植が必要である。 損傷した心臓組織は再生されないため、このような患者の場合、幹細胞治療薬が切実に必要となる。大韓民国では2011年に医薬品に指定されてから5年余りの持続的な使用を通じて心不全が好転する現象を発見した。心不全患者は心臓機能が少し好転しただけでも生活の質が著しく良くなる。軽症の心不全患者は症状の改善を見せ、重症の心不全患者は少なくとも心臓移植ができるときまで心臓が本来の機能を維持できるようにしてくれる。10年余りの臨床試験とこの5年間にわたる医療現場での使用中に重症の副作用事例はもちろん、これに関連する死亡事例や発がんが確認されたこともない。
'肝臓は沈黙の臓器'という言葉がある。つまり、肝臓は大概の損傷では症状を示さないという意味だ。したがって、肝硬変の初期段階で患者は特別な症状を感じる場合が少なく、肝硬変症がある程度進み合併症が現れた頃に問題の深刻性を認識するようになる。肝臓の繊維化により様々な合併症が発生し、ひどい場合には、肝機能低下による肝不全状態になって危険な状況に陥ることもある。肝硬変症が進み末期になると肝臓がんが発生する可能性が高まるため、'肝移植'という最後の手術的治療方法を使うことになるが、これは完全な治療を意味しない。肝移植は手術の負担が大きいだけでなく、ひとまず供与者を見つけるのは容易ではない。肝移植を受けることになっても生涯免疫抑制薬を使用しなければならない負担と移植による高い治療費を負担することは現実的に容易ではない。 既存の肝硬変治療は、炎症の原因を避けるか取り除くなどして炎症の度合いを鎮める方法が代表的だ。しかし、今は幹細胞を利用した治療法が紹介され、肝硬変症において幹細胞が肝細胞を再生し繊維化の度合いを一段階下げることができるということが確認され肝硬変患者に朗報を伝えている。適切な時期に幹細胞治療が行われれば、患者の肝細胞は再生されて繊維化現象が好転するだけでなく、肝機能の回復を期待できる。 CHECK POINT 3. 安全な幹細胞治療を望むなら必ず確かめよう 幹細胞治療薬は生きている細胞に多くの操作を加えて作られるため、製造過程で汚染が発生する可能性が高い。そのため、患者は幹細胞治療薬の投与を受ける医療機関が政府から認可された'幹細胞治療薬'を使用しているのかを必ず確認する必要がある。政府から認可された幹細胞治療薬は、<表1>のとおりだ。 許可を受けていないとすると、それは骨髄や脂肪及び臍帯血から採取した幹細胞を培養過程なしに単純分離して活用する'施術'に含まれる領域である。幹細胞施術は、局所部位の軽微な疾患については治療効果を期待できるが、単純分離した細胞には治療に有効な間葉系幹細胞の数がごく少量であるため、重症の難治性疾患や全身投与が必要な疾患には患者の安全や治療効果を期待し難い。したがって、幹細胞を利用した施術を考慮する患者は、本人が患っている疾患の種類や疾患の度合いを正確に診断してもらい、医療機関の適合性を考えて慎重に選択することが望ましい。 CHECK POINT 4. 幹細胞は万能薬ではない 幹細胞は万能薬ではない。完治はどのような疾患においても容易なことではなく、幹細胞治療薬もまた難治病患者の症状や機能を改善してくれる医薬品の一種であるため、漠然と脹らまされた期待感で当たってはいけない。しかし、確かなことは、幹細胞は現代医学で治療が不可能な疾患を治療しており、同時代内にさまざまな疾患の一般的な治療法として位置づけられるものと確信する。幹細胞治療は、今後、人を救って世の中を驚かすことだろう。 |
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心臓疾患と幹細胞治療
肝硬変と幹細胞治療
