飲み込むには大きく、口にくわえていると苦いため、特に飲ませるのが難しい錠剤。子供に錠剤を簡単に飲ませるためには、舌の奥から３分の２の地点に薬を置くと良い。この時、子供の頭を若干後ろに反らして水と一緒にぐっと飲み込ませるようにする。

Caution : 錠剤はコーティングを剥がしたり、粉にして飲ませてはいけない。薬物が早く吸収されて血中濃度の急激な上昇を引き起こしかねないためだ。小児用の解熱鎮痛剤がないからと、その場凌ぎに大人用の薬を飲ませるのも危険である。

水薬を飲ませる時には、正確な計量表示のあるスプーンやカップを使用しなければならない。薬が少量の場合には経口用の注射器を利用すると良い。万一、容器に薬が残った場合は、水を入れてもう一度飲ませる。

Caution : ほとんどの小児用薬物は懸濁液、つまり薬物の粒子が溶解されていない状態であるため、きちんと混ぜないまま服用すると薬効が期待よりも低かったり、予期せぬ毒性を引き起こしかねないため注意する。

粉薬はごく少量のぬるま湯に砂糖と一緒に１回分を溶かして飲ませよう。シロップと一緒に飲ませたりジュースに混ぜて飲ませるのも良い方法である。それでも子供が嫌がる場合は、軽く鼻をつまんだ状態で薬が口の中へ流れ込むようにすると自然と口で息をしながら薬を飲み込むことになる。

Caution : 薬を牛乳に混ぜて飲ませるのは生まれたての新生児でなければ控えた方が良い。子供が牛乳の味を変だと思って牛乳自体を嫌いになりかねず、また、哺乳瓶に残った薬により乳首が詰まることがあるからだ。鼻をつまんだ状態で飲ませるときには薬が気道に入らないように注意しよう。

３歳未満の子供は耳たぶの下の方を後ろに引っ張るようにして指示された量を投与し、３歳以上の子供は耳たぶの上の方を引っ張るようにして薬を入れる。子供を横向きに寝かせると薬が奥までちゃんと入る。

Caution : 冷たい点耳薬が急に入ってくると耳の中の毛細血管が収縮しながらめまいを誘発したりもする。そのため、薬は常温にした状態で使用すること。

子供は大人よりも皮膚の角質層が薄いため、局部にクリームを塗ると吸収が非常に早い。そのため、傷ができた部位だけに少量を薄く広げて塗り、目、鼻、口の周りは避ける。

Caution : クリームや軟膏を塗ってすぐにその上に絆創膏を貼ったりおむつをあてるのは避けよう。軟膏が十分に吸収されていない状態で肌の温度が高くなると薬物の吸収速度が加速して肌に刺激を与えかねない。使用期間と回数、塗る量については専門家に相談するのが望ましい。

薬を飲むのを嫌う子供には座薬が解決策となることがあるが、嫌がることもあるため寝ている時に入れることをお勧めする。座薬は家庭用のビニール手袋をはめて尖った部分から肛門に４～５秒間押しながら挿入する。薬の半分だけを使う時にはカッターナイフで斜めに切った後、鋭い部分を手で丸く整えたり水をつけて入れる。その後、股ぐらとお尻を優しく押して薬が出てこないようにする。座薬が堅くない場合は、包装のまま冷蔵庫に入れておいて固まってから使用するとよい。

Caution : 子供によく使う座薬として解熱剤が挙げられるが、熱が下がらないからと連続して挿入してはならず、最低４時間は間隔をあけて使用しなければならない。座薬は排便後に挿入して薬が出てこないようにすることが重要である。