朝、寝ぼけ眼での出勤途中や、昼食後ほっと一息つく時に飲む「１杯のコーヒー」は、生活に活力を与え、仕事の効率も高めてくれます。毎日の生活に欠かせないコーヒーですが、実は多くの俗説があります。普段何気なく飲んでいるコーヒーですが、ニュースや新聞に掲載されているコーヒー関連の記事を見ると、はたして真実なのだろうか？と疑問を抱くことがあります。健康に役立つ耳よりな情報から事実と少し異なる内容まで、１杯のコーヒーに込められた誤解と真実を解きほぐしてみましょう。

コーヒーはダイエットに効果的？

コーヒーミルクは植物性油脂だからOK？

オリーブ油やエゴマ油などの植物性油脂は、健康に有益な脂肪成分を含んでいるため病気の予防や健康維持に役立ちます。その為、多くの人がコーヒーミルクも植物性油脂(ヤシの実の油脂であるヤシ油)で作られているため健康に良いと勘違いをしています。しかし、ヤシ油は他の植物性油脂とは違い体に有害な飽和脂肪酸を多量に含んでいます。成人男性の１日のエネルギー代謝量2,000Kcalを基準にして考えると飽和脂肪酸の推奨量は約10gです。コーヒー１杯に使われるコーヒーミルクは3~4gですので致命的な影響を及ぼすほどではありませんが、飽和脂肪酸をたくさん摂取するとコレステロールが増加し、成人病や心血管疾患を引き起こしかねないので過剰摂取に注意しましょう。

熱くてこそ真の味！アイスコーヒーよりもホットコーヒーの方が良い？

注文したコーヒーが出てきてらすぐに飲むという人が多いのではないでしょうか？しかし、コーヒーの加熱処理中に「フラン」という発がん性物質が生成されるため、熱いコーヒーを冷まさずに飲むのは健康に良くありません。では、どのくらい待たなければならないのでしょうか？フランは高揮発生物質であるため、インスタントコーヒーやドリップコーヒーを入れてから5分後には平均61~90%が減少します。したがって、コーヒーをすぐに飲むより少しずつゆっくり飲む方が良いです。

カフェイン中毒はコーヒーではなくエナジードリンクによるものである？

過度にカフェインを摂取すると不眠症や貧血などを引き起こし、特に子供の場合は成長が阻害される可能性があります。では、カフェインの含量が高く、カフェイン中毒を招く飲み物にはどんなものがあるでしょうか？1回の提供量に相当するカフェイン含有量を比較した結果、エナジードリンクのカフェインの平均含量が99mgであるのに対してコーヒー専門店のコーヒーが123mgと最も高い結果となりました。続いて液状コーヒー(84mg)、インスタントコーヒー(48mg)の順にカフェインの含量が高い結果となりました。成人１日のカフェイン最大摂取推奨量(400mg)は、コーヒー専門店のコーヒー3.3杯、エナジードリンク4本に該当し、子供や青少年のカフェイン摂取推奨量(50kg基準、125mg)は、コーヒー専門店のコーヒー１杯、エナジードリンク1.3本に該当します。したがって、各年齢のカフェイン摂取推奨量を考えてコーヒーやエナジードリンクを摂取する必要があり、また製品ごとにカフェインの含有量が異なるため、選択時には含有量を参考にしながら、高カフェイン飲料(1ml当たり0.15mg以上)の摂取をなるべく控えるようにしましょう。

提供：サムソン・ソウル病院　臨床栄養チーム