春の訪れを感じる前にシミ・色素沈着のための治療を！ [ 皮膚科　代表院長イ・ジェボン ]

2018-03-29 18:43

春の訪れを感じる前にシミ・色素沈着のための治療を！

WIDWIN皮膚科　代表院長イ・ジェボン

寒い冬が過ぎ、暖かく日差しが降り注ぐ春が近づいて来ました。冬の乾燥した肌によって保湿以外の管理がおろそかになってしまい、暖かい春のお出かけが増えるこの季節にひときわ肌がくすんで見えます。肌がくすんで見える理由はまさに、シミ、くすみ、そばかす、太田母斑などの色素疾患によります。

シミ(Melasma)とは?

肌にある色素を単なるシミだと思って来られる方が多いですが、そのうちの半分程だけが本当のシミで、くすみ、そばかす、後天性太田母斑色素症(ABNOM、アブノーム)、色素沈着など他の疾患の場合も結構あります。そこで、シミとは何であり、何故できて、治療にはどんな方法があるのかをお伝えしようと思います!

(シミ(melasma)は、主に顔の頬骨部分に対称的に現れる不規則な過色素病変)

シミは何故できるのでしょうか?

これまでシミの原因は、ホルモン不均衡、紫外線(日差し)、遺伝的な要因などの様々な要因を考えてきましたが、最近ではこれらが直接的な原因というよりは、誘発要因あるいは悪化要因程度に考えられています。したがって、日差しの強い春や夏、避妊薬の服用中、妊娠期間中にシミが悪化する場合が多く見うけられます。

シミの本当の姿は?

(最上部の表皮層に色素が増えているだけでなく、真皮層の血管増殖、コラーゲン変性、肥満細胞、繊維芽細胞の増加など真皮層にも異常を見せるシミ)

もう少し簡単に説明すると、肌の最上層である角質層や肌の真皮を覆う表皮基底膜が破壊されており、肌の下で柱の役割を担うコラーゲンや弾力繊維が破壊されているということは、肌の障壁が丈夫でなく刺激や炎症に弱い状態であるということです。また、肥満細胞や繊維芽細胞は肌の炎症を起こす様々な物質を分泌しますが、このような細胞が多いと炎症が悪化して血管が増殖されているため、上記の反応全てが増大する状態であると言えます。

シミは複合的な問題、したがって治療も複合治療が必須です!

そのため、シミの治療は、単純に表面に見える色素だけをなくせば良いという簡単な問題ではありません。肌の構造を明確に理解している皮膚科専門医に治療を受ける必要があり、肌の構造別に分けて異なる治療をしなければならず、1か所だけを治療しても良くならないことから複合治療が必要となります。そして、最も重要なことは、刺激や炎症に弱いため刺激のない治療をしなければなりません。