最近、美容整形の分野ではリフトアップへの関心が急速に高まっている。リフトアップとは、主に顎まわりや頬のたるんだ皮膚と組織を引き上げて固定する施術をいう。このようなリフトアップ施術は、近頃はボディ整形にも盛んに取り入れられているが、その代表的なものとしてヒップリフテト施術が急成長している。
ヒップの大きさを拡大したり、たるんだ組織を引き上げるお尻整形分野は、米国では2019年に約2万5千件のお尻整形手術が行われており、これは全体成形手術の約4%を占める割合で、お尻整形の人気が増加し続けていることが報告されている。
このようなヒップの成形手術は、従来はヒップの形と類似した保形物を挿入する方式が多く用いられていたが、手術後の痛みや異物感を訴える患者が多かった。
最近では太もも、腹部、ヒップまわりの過剰な脂肪を、ボリューム感が足りないヒップ上部や両側の消えた部分、骨盤部位などに注入する方法が一般的であり、脂肪が足りない場合はフィラーで脂肪を代替できる。また、お尻の整形手術を糸リフトと併せて行うと、より自然で弾力のあるヒップラインを形成することができるほか、垂れたお尻が引き上がることで太ももが現れるため、足が長く見える視覚効果が期待できる。
そのため、筆者はお尻の整形の際にはボリューム拡大だけでなく、垂れ下がった組織のリフトアップを同時に行うと、より自然で満足度の高い結果が得られると患者さんに説明している。
これまでヒップアップリフト方式があまり利用されなかった理由は、医療用縫合糸は組織の重さを支えなければならないが、お尻は顔に比べて筋肉量が多く範囲が広いため、施術後十分に固定されず縫合糸の胴体や突起が切れやすいという問題点があったためである。この場合、施術の効果が保たれなくなる。すなわち、縫合糸の強度と組織固定力が鍵となるのだが、最近、韓国の国内技術で開発された医療用縫合糸「エピティコン(epiticon®)」は、体内に異物を残さず溶ける性質を保ちながらも引き上げた組織を強く固定することができるため、お尻の整形に適している。
筆者はエピティコン糸を利用したリフト方式のヒップアップ整形施術を、大韓美容整形外科学会PRS KOREA、Jetema 2023 BESPOKE Symposium、国際学術誌2021 Dermatologic Surgery、INTERCHARM Russia 2018、ビヨンド・ビューティー・アセアン・バンコク2019博覧会などで発表しているが、美容整形医療界から大きな好評を得ている。
筆者は、韓国で開発された医療用縫合糸を用いた韓国式ヒップアップリフト成形が、ボディラインの悩みを持っている世界の人々に役立てるソリューションとして検討されることを期待している。
HERSHE美容整形外科医院チョン・ヨンチュン院長 形成外科 専門医
- セブランス病院形成外科 専攻医修了
- 元 延世大学医学部形成外科 教授
- 延世大学医学部形成外科 外来教授
- 延世大学校原州医科大学 外来教授
- 大韓形成外科学会 会員
- 大韓美容形成外科学会 会員
- 日本神奈川美容整形クリニック研修
- 大韓口腔顎顔面外科学会 会員
- 延世大学医科部総同窓会 理事
- 国際美容整形研修院IPSTC ソウルセンター長
- 国際最小侵襲整形学会MIPS 会長
- 米国形成外科学会ASPS 会員
- HERSHE美容整形外科 代表院長